クリエイター向けノートPCは各メーカーから販売されていますが、ある程度知識がないとどれを選べばいいか迷ってしまいがち。
価格帯もビジネス用途の一般的なノートPCなら6~7万円でそこそこのものが買えますが、クリエイター向けのモデルは安くても10万円以上。
高い買い物だからこそ、後悔しないように最低限の知識を身に着けておきましょう。
このページでは、クリエイター向けノートPCを買うときの注意点やコスパの高いおすすめモデルをご紹介します。
パソコンの買い替えを検討中の方は、ぜひご覧ください。
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クリエイター向けノートPCの特徴

まずは一般的なノートPCと、クリエイター向けPCのちがいを簡単にご説明します。
主なポイントを整理すると以下の通り。
- ディスプレイの色域が広い
- グラフィック性能がとても高い
- ハイスペックなものは高額
- 大きくて重たいモデルが多い
それぞれ順に見ていきましょう。
「そもそもクリエイターPCって何なの?」
という方は、以下の記事もあわせてご覧いただくとよりわかりやすいです。

ディスプレイの色域が広い

クリエイター向けノートPC最大の特徴ともいえるのは、ディスプレイの色域が広いこと。
メーカーやモデルによって差はあるものの、sRGBやAdobeRGBをはじめ、DCI-P3などのカバー率がとても高いです。
たとえば5万円以下で買えるような格安ノートPCの場合、sRGBカバー率が70%を下回ることもあります。
(少し乱暴な説明になりますが)これはディスプレイに正しく表示できない色が3割以上あるということで、色にこだわるクリエイターにとっては致命的といえるでしょう。
思い描いている色を正しく再現したいなら、色域の広いディスプレイは必須です。
4K解像度モニターも選べる
クリエイター向けノートPCには、4K(3,840×2,160)解像度のモニターを搭載したモデルもあります。
高解像度のイラストや写真を仕上げたい方や、4K動画の編集を想定しているなら、高解像度モニターの必要性は言わずもがな。
一般的なフルHD(1,920×1,080)と比べて4倍の解像度なので値段も高くなりますが、わざわざ外付けの4Kモニターを用意する必要がないのは便利です。
キャリブレーションは必須

どれだけ色域が広いといっても、ディスプレイの色は時間経過とともにズレていくものです。
クリエイター向けノートPCといえど、定期的なキャリブレーションは必須と考えましょう。
また、ディスプレイの色は日光や室内灯などの環境光によって見え方が変わります。
プロレベルで厳密に色を管理するとなると、遮光フード付きのカラーマネジメントモニターを用意するなど、作業環境そのものを見直さないといけません。
どこまで色にこだわるかは、予算や用途に合わせて判断してください。
グラフィック性能がとても高い

グラフィック性能がとても高い、という点もクリエイター向けノートPCの特徴。
一般的なノートPCだとCPU内蔵型のGPUがほとんどですが、クリエイター向けノートPCには高性能なGPU「GeForce」を搭載しているものが多いです。
GPUの性能が高いと、高解像度のRAWデータをスムーズに表示できたり、動画の書き出しが速くなるなど、幅広い面でメリットを実感できます。
パソコンの処理速度にはCPUやメモリの性能も影響しますが、クリエイティブ用途ではGPUの重要度がより高くなる、と覚えておきましょう。
パソコンゲームも動かせる

GeForceは種類がとても多く、GTX16シリーズをはじめ、RTX20、RTX30シリーズが搭載されているものなら、パソコンゲームも快適に動かせます。
フォートナイトやApex Legendsなどの人気ゲームをはじめ、Cyberpunk 2077のような話題のゲームもプレイ可能。
クリエイター向けノートPCの場合、ディスプレイのリフレッシュレートが60HzなのでゲーミングPCほどのヌルヌル感は味わえませんが、カジュアルに楽しむには十分です。
パソコンの性能によっては、ゲームのグラフィック設定を調整する必要があります。
ハイスペックなものほど高額

メリットだけではなく、デメリットについても触れておきます。
クリエイター向けノートPCは、どれも値段が高めです。
搭載されているスペックを考えれば当然ですが、安いものでも10万円前後、そこそこのスペックだと15~20万円は覚悟しましょう。
4Kモニターを搭載したモデルだと、30万円を超えてくることも。
基本的にパソコンの性能と価格は比例するので、予算に合わせて最適な1台を選んでください。
大きくて重たいモデルも多い

クリエイター向けノートPCに限らず、ハイスペックなパソコンほどサイズが大きくなりがちです。
高性能なCPUやGPUほど発熱しやすく、冷却のための装置を搭載する必要があるため、どうしてもパソコン本体が大きくなってしまうのです。
そのためクリエイター向けノートPCは15.6型が主流で、記事執筆時点でもっともコンパクトなモデルは14型。
ビジネス用途のモバイルノートPCなら13.3型やそれより小さいモデルもありますが、搭載できるスペックに限界があります。
スペックの高さと持ち歩きやすさ、どちらを優先するかは用途に合わせて判断しましょう。
据え置きで使うことがメインなら、15.6型以上がおすすめです。
ACアダプターも大きめ

ハイスペックなノートPCは消費電力が高いため、ACアダプターも大きくなりがちです。
100W以上の高出力に対応しているものも多く、持ち歩きに向いているとは言えません。
持ち歩く前提でパソコンを探している方は、ACアダプターのサイズにも注目しておきましょう。
パソコンの消費電力が高いということは、バッテリーの消費も速いということです。
おすすめのクリエイターノートPC
ここから数あるクリエイター向けノートPCのなかから、コスパの高いおすすめモデルをピックアップしました。
気になるモデルがあれば、実機レビューもあわせてご覧いただくとよりわかりやすいです。
掲載している仕様および価格は記事執筆時点のものです。時期によって変動するものなので、最新情報は必ず公式サイトでご確認ください。
raytrek G5

まずはドスパラが販売する、クリエイター向けPCとしてはエントリーモデルのraytrek G5をご紹介します。
OS | Windows 10 Home 64ビット |
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CPU | Core i5-10300H |
GPU | GeForce GTX1650 Ti |
メモリ | 16GB(8GB×2) |
ストレージ | NVMe M.2 SSD 500GB |
販売価格 | 89,980円~ |
イラストや漫画制作をはじめ、ちょっとした動画編集などの用途で活躍します。
CPUがCore i5でGPUもGTX 1650 Tiなので、4K動画の編集などの重い用途でパワー不足。
クリエイターPCの入門機としておすすめです。
raytrek R5

続いてはミドルスペックの人気モデル、raytrek R5。
OS | Windows 10 Home 64ビット |
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CPU | Core i7-10875H |
GPU | GeForce RTX 2060 |
メモリ | 16GB(8GB×2) |
ストレージ | 1TB NVMe M.2 SSD |
販売価格 | 124,980円~ |
イラストや写真、動画編集まで、幅広い用途を1台でこなせる万能なマシンです。
sRGBカバー率も約96%と高く、Webで完結する業務なら仕事でも十分使えます。
キーボードの配列が独特なので、慣れるまでミスタイプが発生しやすいかもしれません。
DAIV 5D-R5

こちらはマウスコンピューターが販売するクリエイター向けノートPC、DAIV 5D-R5。
OS | Windows 10 Home 64ビット |
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CPU | Ryzen 5 3500 |
GPU | GeForce GTX1660 Ti |
メモリ | 8GB(8GB×1) |
ストレージ | NVMe M.2 SSD 512GB |
販売価格 | 109,800円~ |
デスクトップPC向けのCPUを搭載した珍しいモデルです。
今どきの15.6型ノートPCとしてはサイズが大きく、バッテリーも持たないため、持ち歩きには向いていません。
自宅や職場で据え置きで使うなら、とてもコスパの高い1台です。
DAIV 5P

こちらは薄型で持ち運びやすい、DAIV 5P。
OS | Windows 10 Home 64ビット |
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CPU | Core i7-10750H |
GPU | GeForce GTX1650 |
メモリ | 16GB(16GB×1) |
ストレージ | NVMe M.2 SSD 512GB |
販売価格 | 139,800円~ |
GPUの性能は控えめですが、薄型ボディにCore i7とメモリ16GBを搭載。
約18.5時間という長持ちバッテリーも魅力で、ハイスペックPCを持ち歩きたい方にぴったり。
外出先でパソコンを使うことが多い方におすすめです。
HP ENVY 15

最後にご紹介するのは、HPが販売するENVY 15のハイエンドモデル。
OS | Windows 10 Pro 64ビット |
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CPU | Core i9-10885H |
GPU | GeForce RTX2060 with Max-Q Design |
メモリ | 32GB(16GB×2) |
ストレージ | NVMe M.2 SSD 2TB (1TB×2、RAID 0) |
販売価格 | 289,800円~ |
大容量メモリをはじめ、sRGBカバー率約100%の広色域4K OLEDタッチディスプレイも搭載。
4K動画の編集やAfter Effectsで凝った演出を加える作業も、さくさくこなせるマシンです。
気軽にポンと出せる価格帯ではありませんが、最高の作業環境を整えたい方は、検討してみてはいかがでしょうか。
用途に合ったパソコンを選ぼう

クリエイターPCを買うときに大切なのは、用途を明確にすること。
たとえばイラスト用途と動画編集や3DCGでは、求められるスペックが大きく異なります。
まずはパソコンで何をしたいのかを整理して、そこから予算に合わせて選んでいきましょう。
長く使うものですから、納得のいく1台を選んでいください。