クリエイター向けパソコンとして高い人気を誇る、マウスコンピューターのDAIV。
ハイスペックなパソコンを求めるクリエイターにぴったりなモデルが多数販売されていますが、ある程度パソコンに詳しくないと選ぶ段階で迷ってしまいがち。
そこでこのページではDAIVの特徴や魅力、購入時の注意点について、パソコンが苦手な方にもわかりやすくまとめています。
近いうちにクリエイターパソコンの購入を検討中の方は、ぜひじっくりご覧ください。
目次リンク
マウスコンピューターのDAIVとは
まずはDAIVの特徴から見ていきましょう。
要点を整理すると以下の6点。
- 幅広いラインナップ
- 柔軟なカスタマイズ
- 使いやすい機能が充実
- 色域の広いモニター
- 24時間365日サポート
- 長野県の工場で国内生産
ちなみにDAIVの正式名称は「Dynamic Approach Imagery of Visual」だそうです。
略してDAIV、なんだかSMAPみたいですね。
幅広いラインナップ
真っ先に挙げられるのはラインナップの幅広さ。
RAW現像や動画編集をはじめ、DTPやイラスト・漫画作成、CADにCGなど、あらゆる用途で使いやすいように開発されています。
10万円前後で買えるモデルから100万円に届くようなプロユースモデルまで、用途や予算に合わせてパソコンを選択可能。
ちなみにクリエイター向けパソコン自体はマウスコンピューターに限らず各メーカーから販売されています。
しかしながらラインナップの豊富さという点ではDAIVが圧倒的。
具体的にどんなラインアップがあるかは、次のパートでご紹介します。
柔軟なカスタマイズ
カスタマイズの柔軟性が高いのもDAIVの重要ポイント。
たとえば家電量販店でパソコンを買う場合、基本的に店頭に並んでいるものしか買えませんよね。
「RAWデータが大量にあるから、ストレージは最低でも2TB欲しい・・・」
と思っても、希望に合ったモデルが販売されていなければ自分でどうにかするしかありません。
その点、DAIVは注文時に細かくスペックをカスタマイズ可能。
メモリやストレージの容量を増やしたり、デスクトップパソコンに無線LANの機能を搭載したり。
もちろんオプションを増やしていくほど値段も上がっていきますが、限りなく希望に近いパソコンが手に入ります。
カスタマイズで迷ってしまう方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
使いやすい機能が充実
DAIVのデスクトップパソコンには取っ手が標準搭載。
キャスターもオプションで搭載できるため、スタジオなどにパソコンを持ち運ぶ時も便利です。
簡単に取り外せるフィルターは水洗い可能で、メンテナンス性も抜群。
ケースの拡張性も高く、メモリやストレージの増設も難しくありません。
ノートパソコンもインターフェイスが充実していて、カラーマネジメントモニターなどの外付けディスプレイとの接続も簡単。
無線LANでインターネットに接続する方がほとんどですが、有線LANでの接続に対応しているモデルもあります。
デスクトップの各種機能およびノートパソコンの各種インターフェイスは、モデルによって異なります。
色域の広いモニター
クリエイティブ業務において、イメージ通りの色を表示できるかどうかは極めて重要です。
カラーマネジメントモニターを持ち歩ければベストですが、現実的には不可能。
その点、DAIVのノートパソコンは色域の広いモデルがたくさん。
有機ELパネルを搭載したモデルや、4K解像度かつAdobeRGB比100%モニターを搭載したモデルまで。
一般的な薄型ノートパソコンだと、sRGB比が60%前後しかないことも。
動画視聴や事務用途程度なら問題ないものの、厳密な色管理が求められるクリエイティブ用途では致命的。
「外出時の作業でも色に妥協したくない!」
というクリエイターはモニターの色域にこだわりましょう。
AdobeRGBとsRGB
「AdobeRGBとかsRGBのカバー率って何なの・・・?」
という方もいますよね。
モニターの色域を表す指標のひとつで、AdobeRGBはsRGBに比べて3割ほど表示できる色域が広いです。
Adobe RGBはsRGBと比較して、特にGの領域が広いこと、つまりより鮮やかな緑色を表現できることが特徴だ。
Adobe RGBは、フォトレタッチソフトのPhotoshopシリーズでおなじみのアドビシステムズによって1998年に定義された。sRGBのような国際規格ではないが、同社のグラフィックス関連アプリケーションの高いシェアを背景に、 プロフェッショナルのカラーイメージング環境、及び出版/印刷の分野などでは、事実上のデファクトスタンダードになっている。
引用元:EIZO株式会社 液晶ディスプレイの「色域」を理解しよう
「モニターで見ている色と、プリントした写真の色が微妙にちがう!」
という経験をしたことはありませんか?
定期的なキャリブレーションは必須ですが、理論上、AdobeRGB100%のモニターで色を合わせればプリンターとのズレはなくなります。
仕事として写真を撮る方はもちろん、フォトコンテストで入賞を目指すような方にとっても色域の広いモニターは必須です。
24時間365日サポート
パソコンが急に動かなくなった経験はありますか?
今の時代、パソコンの初期不良はかなり少なくなっているものの、トラブルが絶対起きないという保証はありません。
たとえば朝までに納品しないといけないのに、夜中にパソコンが使えなくなったりしたら最悪ですよね。
その点、マウスコンピューターのアフターサポートは24時間365日対応。
深夜や早朝、お盆やゴールデンウィーク、お正月でも何かトラブルがあったときにすぐ相談できます。
さらにアフターサポートはLINEでの問い合わせにも対応。
スマホのカメラでエラー画面を撮影してLINEで送れば、口頭で伝えるより正確に状況を伝達可能。
昼夜逆転しがちなクリエイターにとって、24時間365日対応のアフターサポートは安心感抜群です。
長野県の工場で国内生産
「価格の安いパソコンって海外で作っているんでしょ?」
と思っている方は多いですが、マウスコンピューターの工場は長野県にあります。
こちらの動画をご覧いただくと、よりイメージがわきやすいです。
実際に飯山工場を見学してきた様子を以下の記事にまとめています。
気になる方はあわせてご覧ください。
DAIVの主なラインナップ
ここまでDAIVの特徴についてご説明しました。
ここからは具体的にどんなパソコンがあるのか、DAIVのラインナップを見ていきます。
記事執筆時点の情報なので、最新ラインナップは公式サイトをご覧ください。
デスクトップ
DAIVのデスクトップは大きく3つに分かれています。
- Intel Core搭載モデル
- AMD Ryzen搭載モデル
- NVIDIA Quadro搭載モデル
それぞれの特徴について簡単にご説明します。
Intel Core搭載モデル
まずは定番のIntelのCPUを搭載したモデルから。
主なラインナップを表にまとめました。
シリーズ | CPU | GPU | 価格(税別) |
---|---|---|---|
Z5 | Core i5-9400 | GTX1650 SUPER | 109,800円〜 |
Z7 | Core i7-10700 | RTX2060 SUPER | 189,800円〜 |
Z9 | Core i7-10700K | RTX2070 SUPER | 239,800円〜 |
X7 | Core i9-10900X | GTX1650 SUPER | 209,800円〜 |
X9 | Core i9-10900X | RTX2070 SUPER | 259,800円〜 |
グラフィックカードは主にNVIDIAのGeForceを搭載。
一部モデルはAMDのRadeonを搭載しています。
「RTXとかGTX、どれがいいのかよくわからない・・・」
という方は当サイトで計測したベンチマーク結果(Fire Strike)をご覧ください。
RTX2080 | |
---|---|
RTX2070 SUPER | |
RTX2060 SUPER | |
Radeon RX5700 | |
GTX1660 Ti | |
GTX1650 |
スコアが高いほど高性能と考えて問題ありません。
写真やイラストならエントリークラスのGeForce GTX1650でも十分快適。
RTX2060 SUPERなどのミドルクラス以上のグラフィックカードなら、動画編集はもちろんパソコンゲームもサクサク動かせます。
AMD Ryzen搭載モデル
続いてCPUにAMDのRyzenを搭載したモデル。
主なラインナップは以下の通り。
シリーズ | CPU | GPU | 価格(税別) |
---|---|---|---|
A5 | Ryzen7 3700X | GTX1650 SUPER | 119,800円〜 |
A7 | Ryzen7 3800XT | RTX2060 SUPER | 169,800円〜 |
A9 | Ryzen9 3900XT | RTX2070 SUPER | 229,800円〜 |
「AMDってどうなの・・・?」
と心配する気持ちはよくわかりますが、第3世代のRyzenは侮れません。
一例としてRAW現像の書き出しでは、IntelのハイエンドクラスよりRyzenのミドルクラスのほうが高速です。
Ryzen7 3700X | |
---|---|
Ryzen5 3600X | |
Core i9-9900K | |
Core i7-9700K | |
Core i7-9800X |
「AMDは価格がちょっと安いだけで性能が微妙」
という評価は過去のもの。
Intelへのこだわりがなければ、Ryzen搭載モデルはコスパ抜群です。
書き出しにはNikon D810のRAWデータ100枚を使用。Lightroomの書き出し条件はすべて同一です。
NVIDIA Quadro搭載モデル
こちらはグラフィックカードにNVIDIAのQuadroを搭載したモデル。
主なラインナップは以下の通り。
CPU | GPU | 価格(税別) |
---|---|---|
Core i7-9700 | Quadro P620 | 129,800円〜 |
Core i9-10900X | Quadro P2200 | 259,800円〜 |
Core i9-10900X | Quadro RTX4000 | 329,800円〜 |
Core i9-10900X | Quadro RTX6000 | 759,800円〜 |
Core i9-10900X | Quadro RTX8000 | 999,800円〜 |
Quadroは業務用途で使われることがメインということもあり、総じて価格が高め。
最上位モデルは軽自動車を買えてしまうほどの金額です。
「GeForceとQuadroって何がちがうの?」という方は、以下の表をご覧ください。
GPU | Quadro | GeForce |
---|---|---|
API | OpenGL | DirectX |
カラー | 10bitカラー(約10億6433万色) | 8bit(約1677万色) ※10bitにも対応 |
主な用途 | ほぼ100%業務用 | ゲームなど幅広い |
価格帯 | どれも高い | 安いものもある |
CADやDTPなどの用途では「OpenGL」に最適化されたQuadro搭載モデルを使うことが多いです。
写真編集やイラスト制作などがメインならGeForce搭載モデルでも十分快適に動かせるので、用途や予算に合わせて選びましょう。
ノートパソコン
ノートパソコンはディスプレイサイズやスペックによって、細かくラインナップが分かれています。
シリーズ | 大きさ | CPU | GPU | 価格(税別) |
---|---|---|---|---|
3N | 13.3型 | Core i7-8709G | Radeon RX Vega M GH | 179,800円〜 |
4N | 14型 | Core i7-10510U | GeForce MX250 | 139,800円〜 |
5D-R5 | 15.6型 | Ryzen5 3500 | GeForce GTX 1660 Ti | 109,800円〜 |
5D-R7 | 15.6型 | Ryzen7 3700X | GeForce GTX 1660 Ti | 139,800円〜 |
5P | 15.6型 | Core i7-10750H | GeForce GTX1650 | 139,800円〜 |
5N | 15.6型 | Core i7-10875H | GeForce RTX2060 | 179,800円〜 |
5N-OLED | 15.6型 | Core i7-10875H | GeForce RTX2060 | 209,800円〜 |
なかでも人気の高い15.6型はコスパの高い5Dをはじめ、持ち運びやすい薄型の5P、ハイスペックな5Nとラインナップが充実。
5Dはデスクトップパソコン向けのCPUを搭載。
持ち運びには不向きなサイズですが、ノートパソコン1台で完結させたい方には心強い相棒になってくれることでしょう。
5N-OLEDはディスプレイがDCI-P3比100%の有機ELパネルで、4K解像度に対応。
4K動画の編集などにぴったりなモデルです。
用途に合わせて最適な1台を選んでください。
コンセプトモデル
デスクトップとノートに加えて、各用途に合わせたコンセプトモデルも販売されています。
- Creative Cloud 推奨モデル
- デジタルカメラグランプリ金賞受賞モデル
- CLIP STUDIO PAINT推奨モデル
- ワコム液晶ペンタブレット推奨モデル
- Unity 推奨スペックパソコン
- Mizuchi VR 推奨モデル
- 8K VR/全天球動画視聴向けPC
- DaVinci Resolve推奨モデル
- バーチャルマーケット推奨モデル など
ベースとなっているのはDGZ(デスクトップ)や5D(ノート)などですが、各コンセプトに合わせて細かくカスタマイズされています。
用途にぴったり合いそうなモデルがあれば、コンセプトモデルもチェックしてみてください。
他ブランドとのちがい
マウスコンピューターには「mouse」や「G-Tune」といったブランドもあります。
DAIVとは何がちがうのか、それぞれの特徴を表にまとめました。
ブランド | DAIV | G-Tune | mouse |
---|---|---|---|
主な用途 | クリエイティブ | ゲーム | 事務用途など |
GPU | GeForce Radeon Quadro | GeForce Radeon | 内臓GPU GeForce(一部モデルのみ) |
ケース (デスクトップ) | 1種類のみ キャスターも取付可能 | 4種類 ガラスパネルも選択可能 | 2種類 スリムタイプも選択可能 |
ディスプレイ (ノート) | 色域が広い リフレッシュレートは60Hz | 色域は普通 高リフレッシュレートに対応 | 色域は普通 リフレッシュレートは60Hz |
価格帯 | 10万円~ | 8万円~ | 4万円~ |
用途によってはDAIVにこだわる必要はありません。
実際にG-Tuneのゲーミングパソコンで写真や動画を編集している方も多いです。
用途が3DCGやCAD、8K VRの映像制作などに限られているなら、選ぶべきは間違いなくDAIV。
まずは用途を明確にして、どういったパソコンがベストなのかを考えていきましょう。
デメリットや購入時の注意点
ここまで主にDAIVの魅力についてご紹介しました。
ここからは購入時に知っておきたい注意点やデメリットについて触れておきます。
ポイントを整理すると以下の4点。
- 最安とは言えない価格帯
- 納品まで1週間ほどかかる
- 高負荷時のファンがうるさい
- おしゃれさに欠けるデザイン
クリエイターパソコンは安くても10万円以上の出費です。
買ってから後悔しないように、メリットとデメリット、両方をよく理解しておきましょう。
最安とは言えない価格帯
まずは価格について。
ほかのメーカーが販売するクリエイターパソコンとの比較結果をご覧ください。
メーカー | ドスパラ | パソコン工房 | DAIV |
---|---|---|---|
モデル | raytrek XT | SENSE-R041 LCi7K-RXX-CMG | DGZ530S4-M2S2 |
CPU | Core i7-9700 | Core i7-9700K | |
GPU | GTX1660 Ti | ||
メモリ | 16GB | ||
ストレージ | 500GB SSD 2TB HDD | 500GB NVMe M.2 SSD | 256GB NVMe M.2 SSD |
価格 | 144,980円~ | 149,980円~ | 179,800円~ |
詳細 | 公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
ケースのデザインや電源、CPUクーラーなどのちがいも考慮すべきですが、価格だけならドスパラやパソコン工房が安いです。
ただし、24時間365日対応のアフターサポートを受けられるのはDAIVだけ。
購入後の安心感で選ぶなら、多少値段が高くてもDAIVがおすすめです。
DAIVを少しでも安く買いたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
納品まで1週間ほどかかる
マウスコンピューターは受注生産のため、注文から納品まで1週間ほどかかってしまいます。
年末年始をはさんだり、時期によっては届くまで2週間以上かかることも。
納期の目安は見積もり画面に表示されるため、希望のモデルがいつ頃届くかは注文時に必ず確認しましょう。
翌営業日出荷(2,000円)というオプションサービスもあるものの、対応商品は一部のみ。
パソコン1台につき送料が3,000円かかる点も気になるところ。
「何でもいいから今すぐハイスペックなパソコンが欲しい!」
という方はビックカメラなどの量販店で買いましょう。
高負荷時のファンがうるさい
ハイスペックノートPCの宿命ですが、動画の書き出し中など、パソコンに負荷がかかると冷却用のファンがフル回転します。
書き出しが終われば静かになるものの、一定時間はガマンが求められます。
DAIVのデスクトップはケースの静音性が高いため、耳を近づけない限りファンの回転音はほぼ気になりません。
クリエイターノートの購入を考えている方は、書き出し中はうるさくなることを覚悟しておきましょう。
おしゃれさに欠けるデザイン
MacとWindowsのメリット・デメリットについてはここで言及しませんが、DAIVとMac、どちらのデザインが好きですか?
人によって評価が分かれるポイントではあるものの、DAIVは良くも悪くも見た目が普通。
スタイリッシュな見た目のパソコンが欲しいなら、迷わずMacbook Proを買うべきでしょう。
「スターバックスはあまり行かない」
「パソコンは見た目より性能が大事」
という方にはDAIVがおすすめです。
クリエイターPC・DAIVのまとめ
マウスコンピューターが手がけるクリエイター向けパソコン、DAIV。
用途に合わせて細かくカスタマイズすれば、あらゆるクリエイターにとって唯一無二の相棒になってくれることでしょう。
「メモリを32GBにして、ストレージを2TBにしたら○万円になるんだ・・・」
「GPUをGTX1660 Tiにしてメモリを16GBにすれば予算内に収まりそう・・・」
見積もりページをポチポチいじってみるだけでも楽しめるので、パソコンの買い替えを検討中の方は、ぜひDAIVをチェックしてみてください。