マウスコンピューターが販売するクリエイターパソコン、DAIV 5Nの最新モデルをお借りしました。
もともとクリエイター向けノートPCのハイスペックモデルとして販売されていた5Nですが、第10世代の最新CPUを搭載し、さらに薄型&軽量化も実現。
sRGBカバー率約100%とモニターの色域も広く、ハイスペックPCを持ち歩きたい方にぴったりな1台です。
幅広い用途で活躍するクリエイターPCを探している方は、ぜひご覧ください。
目次リンク
DAIV 5Nの概要や特徴

DAIV 5Nがどんなパソコンなのか、特徴を整理すると以下の通り。
最新CPU搭載で処理が高速化
薄型・軽量で持ち運びやすい
sRGBカバー率約100%の広色域
各種業務やゲーム用途でも活躍
SDカードスロットが非搭載
ACアダプターが大きく重い
スペックやデザインなど、順にご説明します。
スペック
CPUやGPUなど、今回お借りしたパソコンの基本構成は以下の通り。
OS | Windows 10 Home 64ビット |
---|---|
CPU | Core i7-10875H |
GPU | GeForce RTX2060 |
メモリ | 16GB(8GB×2) |
ストレージ | NVMe M.2 SSD 512GB |
販売価格 | 179,800円~ |
CPUは第10世代のCore i7-10875Hで、8コア16スレッドで動作周波数は2.30GHz(最大5.10GHz)とノートパソコン向けのCPUとしてはハイエンドクラス。
性能が高い分、最大消費電力(TDP)は45Wとノートパソコン向けCPUとしてはかなり高め。
CPU-Zの結果は以下の通り。

GPUはミドルクラスのRTX2060を搭載。
動画編集やRAW現像などで役立つほか、最新パソコンゲームも最高画質でサクサク動かせる実力があります。
GPU-Zの結果は以下の通り。

ストレージは標準仕様だと512GBと控えめなので、心配な方はオプションでストレージの追加がおすすめ。
メモリも16GBあるため、4K動画をがっつり編集するなどの重い作業でない限り、ストレスを感じる場面は少ないでしょう。
標準仕様の販売価格は179,800円~で、消費税と送料込みだと201,080円。
マウスコンピューターではセールや各種キャンペーンを定期的に実施しているため、タイミングが良ければお得に買えることも。
最新情報はDAIVの公式ページをご覧ください。
外観・大きさ
ここからはDAIV 5Nの外観を見ていきます。


メタリックシルバーの天板にDAIVのロゴのみというシンプルなデザイン。
仕様上の大きさは355.5×236.7mmと、15.6型としてはコンパクトに仕上がっています。

分厚さはたったの19.9mmで、一般的なビジネスバッグに難なく収納可能。
収納スペースが少なめのカメラバッグでも持ち運びやすいサイズです。


裏面はパソコン内部の熱を逃がすために、ところどころメッシュ状になっています。
通気口をふさいでしまうことがないように、パソコンの設置場所には気を付けましょう。
旧型の5Nはバッテリーパックを取り外せるようになっていましたが、新型はバッテリーが固定式になりました。

重量は実測で約1.8kg。
それなりにずっしり感はあるものの、問題なく持ち運べる重さです。
新旧比較
今回お借りした新型の5Nと、以前お借りした旧型を比較してみます。
黒一色からシルバーに変化して、全体的にスリムになったことでスタイリッシュな見た目になりました。


主なスペックを比較すると以下の通り。
新型 | 旧型 | |
---|---|---|
寸法 | 355.5×236.7×19.9 | 359×257.8×29.9mm |
重量 | 約1.8kg | 約2.4kg |
CPU | Core i7-10875H | Core i7-9750H |
GPU | GeForce RTX2060 | GeForce RTX2060 |
販売価格 | 179,800円~ | 179,800円~ |
お値段そのままでCPUがアップグレードされただけではなく、スリムかつ軽量に進化。
数値で表すと約29%の軽量化、約33%の薄型化、約9%も小型化しました。
「スペックは高いけど、重たくて大きい・・・」
という5Nの弱点が大幅に改善されています。


各種ベンチマークのスコアも全体的にアップしています。
ACアダプター

ACアダプターは230Wの大容量タイプが付属。
消費電力の高いCPUやGPUを搭載しているため仕方ありませんが、ACアダプターは大きくて重たいです。

ACアダプター単体の重量は約850g。
仕様上のバッテリー駆動時間は約5.5時間ですが、重い作業は消費電力も高くなるため基本的にACアダプターへの接続をおすすめします。
ちょっとした事務作業程度であれば、半日程度は持ちそうです。
インターフェイス
ここからは各種インターフェイスを見ていきます。

- USB3.0(Type-A)×2
- micro SDメモリーカード
カードリーダーはmicro SDのみ。
SDカードなどを読み込みたい場合、外付けのカードリーダーを接続する必要があります。

- USB3.1(Type-A)
- マイク
- イヤホン
左右のインターフェイスは最小限に抑えられている印象です。

- Thunderbolt3 ×1
- HDMI ×1
- LAN
- 電源
Thunderbolt3とHDMIは、それぞれ4K解像度で映像の出力が可能。
4Kのカラーマネジメントモニターなどにつなげれば、より優れた環境を構築できます。
さらにBluetooth 5はもちろん、超高速規格のWi-Fi 6にも対応。
有線LANポートも用意されていますが、無線でも快適に大容量データのやりとりが可能です。
キーボード

キーボードはテンキーを含む日本語配列の100キー。
キーピッチは約18.75mmと標準的ですが、薄型化したゆえかキーストロークは約1.4mmと少し浅め。
目立ったクセもなく、違和感なくタイプできる配列です。


カーソルキーの上下がかなり狭いので、慣れるまではミスタイプが発生しやすいかもしれません。
電源ボタンの横には、パフォーマンスモードに切り替えるためのボタンが用意されています。

重たい作業をするときはパフォーマンスモード、事務作業をするときはモードをOFFにするなど、指一本で切り替えが可能。
プリインストールされている専用アプリ(Control Center)からも設定を変えられます。


ターボモードをONにすると、パフォーマンスは上がるものの冷却ファンもフル回転。
小さめの掃除機くらいの音がするため、使いどころは考えたほうがよさそう。

タッチパッドは一体型で、サラサラとした質感で使いやすいです。
バックライト

カラフルなバックライトにも対応。
光るのはキーボードだけではなく、本体前面にもバーライトが搭載されています。

色や明るさ、発光パターンはControl Centerで制御が可能。

ゲーミングキーボードのように派手に光らせることもできれば、単色でしっとり光らせることもできます。
もちろんバックライトをOFFにすることも可能。
好みに合わせて設定しましょう。
ディスプレイ

ディスプレイは15.6型のフルHD(1,920×1,080)解像度でIPSパネルを採用。
ふちが薄いナローベゼルかつノングレア(非光沢)仕様で、視野角も広く非常に見やすいです。
上辺のナローベゼル化を優先したのだと思われますが、Webカメラがディスプレイの下側に設置されてしまったのは少々残念。
下から見上げるようなアングルになってしまい、キーボードを操作すると指が大きく映ったりします。


zoomやSkypeなどの利用頻度が高く、映りを気にする方は別途Webカメラを用意したほうがいいかもしれません。
sRGBカバー率約100%


i1 Profilerでディスプレイの色域をチェックした結果は以下の通り。
- sRGB比:98.9%
- AdobeRGB比:75.1%
動画編集や写真、イラストなど、Webで完結する業務なら仕事でも十分使えるスペックです。
印刷を前提とした業務だと、さすがにカラーマネジメントモニターが必要です。
クリエイティブ性能の検証

ここまでDAIV 5Nの基本的なスペック面をご紹介しました。
ここからは実際に各種ソフトウェアを動かして、どれくらい快適に作業できるかを見ていきます。
検証に使用したソフトは以下の5つ。
- Photoshop
- Lightroom
- Premiere pro
- Illustrator
- CLIP STUDIO PAINT
順にご紹介します。
Photoshop

まずは画像加工ソフトの代名詞的存在、Photoshopでテスト。
高性能なCPUかつメモリも16GB搭載しているため、サックサクに動かせます。
数百GBになるような重いPSDデータを扱うときも、スムーズに動かせるでしょう。
高解像度の写真データに各種フィルターを適用したところ、いずれも2~3秒で処理が完了。
さすがに多少の時間がかかるものの、一般的な薄型ノートパソコンと比べれば抜群に快適です。
Lightroom

続いてLightroomでRAWデータの書き出し速度をチェック。
画素数別に100枚を書き出して、かかった時間を計測しました。
4575万画素 Nikon D850 | |
---|---|
3635万画素 Nikon D810 | |
2420万画素 SONY α7 III | |
2020万画素 Canon G7 X |
画素数が多くなるほど書き出し時間は長くなりますが、旧モデルと比較して全体的にスピードアップ。
D850のRAWデータ100枚を2分ちょっとで書き出せるのは、デスクトップPC並みの速度です。
書き出し条件は以下で統一しています。
画像形式 | JPEG |
---|---|
画質 | 100 |
カラースペース | sRGB |
画像のサイズ | 未調整(撮影データそのまま) |
解像度 | 350 |
メタデータ | すべてのメタデータ (人物情報や撮影場所の情報は削除) |
等倍表示や現像も快適
グラフィックカードにRTX2060を搭載しているため、WQHDや4K解像度のモニターにつなげてもサクサク現像できました。
等倍表示もほぼ遅延なく表示できますし、各種プリセットもスムーズに反映されて非常に快適です。

Premiere pro

動画編集の性能をチェックすべく、Premiere Proをインストール。
こちらも処理が重くなるような場面は一切なく、終始スムーズに編集できました。
ただし、動画編集がメインの方はメモリを32GBに増やすことを考えてみてください。
4K動画の編集やAfter Effectsなども使うつもりなら、なおさらメモリに余裕を持たせておくことをおすすめします。
メモリ16GB→32GBへのアップグレードは+16,800円(税別)です。
メモリは最大64GBまで増設可能です。
4K動画の書き出し
4K動画の書き出しに、どれくらい時間がかかるかも検証しました。
検証のために用意したのは、GoPro HERO7 Blackで撮影した4K 60fpsの動画データ。
書き出し条件とかかった時間は以下の通り。
H.264(Youtube 1080p FHD) | 23:42 |
---|---|
H.264(Youtube 2160p 4K UHD) | 25:05 |
一般的な薄型ノートパソコンだと40分以上かかることもザラなので十分速いですが、もう少しスピードがでることを期待していました。
フルHDの動画なら書き出しはもっと速くなりますから、実用上は問題ありません。

Illustrator

Illustratorをスムーズに動かせるかどうかもチェック。
ちょっとしたロゴを作ったり、高解像度の写真データを埋め込んだチラシ用の印刷データを整えたり、いずれもスムーズに動かせました。
余程重たいデータを扱わない限り、サクサク動かせるでしょう。
CLIP STUDIO PAINT

CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)も動かしてみたところ、まったく問題なく動かせました。
使用したペンタブはワコムのIntuos Small。
クリスタはもともと動作が軽いので、イラストやマンガの制作がメインならスペックをもう少し落としてもよさそうです。

各種ベンチマーク結果
各種クリエイティブソフトを快適に動かせることがわかったところで、ここからは各種ベンチマークソフトの検証結果をご紹介します。
計測結果はいずれも当サイトで検証したものなので、あくまで参考程度にお考えください。
PCmark 10
まずはパソコンの総合的な性能をチェックするベンチマークソフト、PCmark 10のスコアは5,107でした。

旧型のスコアが4,644だったので、大幅にアップしています。
ExcelやWordなどの事務作業はもちろん、写真や動画などの編集もサクサクこなせるスコアです。
当サイトで検証したDAIVのほかのモデルと比較すると以下の通り。
DAIV Z7 | |
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DAIV 5D-R5 | |
DAIV 5N | |
DAIV 5P |
バランスに優れた5Nですが、デスクトップCPUを搭載した5D-R5のスコアにわずかに届きませんでした。
CINEBENCH
CINEBENCHでCPUの性能をチェックした結果がこちら。


当サイトで検証したR15のスコアを比較すると以下の通り。
Core i7-10875H | |
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Core i7-9700K | |
Core i7-10750H | |
Core i7-9750H |
デスクトップパソコン向けのCPU、Core i7-9700Kをも上回りました。
ベンチマークのスコアがすべてではないとはいえ、素晴らしい結果です。
Crystal Disk Mark
CrystalDiskMarkでストレージの転送速度をチェックしたところ、読み込みで1,800MB/sとまずまずのスコアでした。

実用上はまったく問題ないものの、転送速度にこだわるならストレージのカスタマイズがおすすめ。
一般的なSSD(SATA)やHDDと平均的な転送速度を比較すると、以下の通り。
NVMe M.2 SSD (Gen4) | |
---|---|
NVMe M.2 SSD | |
SSD(SATA) | |
HDD |
ハイエンドクラスのNVMe M.2 SSDなら、読み込み速度は3,000MB/sを超えます。
今のところGen4に対応したM.2 SSDは第3世代RyzenとX570チップセットのマザーボードの組み合わせでないと使えません。
Fire Strike

主にパソコンゲームを動かすうえで重要な指標となる、3DMarkのFire Strikeを走らせたところスコアは15,149でした。
主なグラフィックカードとスコアを比較すると以下の通り。
RTX2060 SUPER | |
---|---|
RTX2060 | |
GTX1660 Ti | |
GTX1650 SUPER |
動画や写真の編集がスムーズになるのはもちろん、最新の3Dゲームも最高画質でサクサク動かせます。
VR Mark
VR Markの各種スコアはご覧の通り。



別売りのVRゴーグルを用意すれば、VRゲームも快適に遊べてしまいます。
オンラインゲーム
有名オンラインゲームのベンチマークソフトも走らせました。
いずれも解像度は1920×1080(フルHD)のノートPCに設定。
重量級ゲームのFF15は高品質で快適という結果に。
5NはゲーミングPCではありませんが、重いゲームも快適に遊べてしまいます。
人気MMORPGのFF14やドラクエXはグラフィックがかなり軽いため、最高画質でサクサクです。
FF15

高品質 | 6833(快適) |
---|---|
標準品質 | 8945(快適) |
軽量品質 | 10615(とても快適) |
FF14 漆黒の反逆者

最高品質 | 13813(非常に快適) |
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ドラゴンクエストX

最高品質 | 13640(すごく快適) |
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フレームレート検証
ベンチマークソフトを走らせるだけではなく、実際にパソコンゲームを動かしてどの程度のフレームレートを出せるか検証しました。
今回プレイしたのはフォートナイトとモンスターハンターワールド アイスボーンの2タイトル。
いずれも最高画質で快適にプレイできました。
仕事の息抜きや休憩時間に本格的なPCゲームが楽しめます。

最高画質 | 102fps |
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最高画質 | 56fps |
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フォートナイトは最高画質で100前後のフレームレートを出せましたが、モニターのリフレッシュレートが60Hzなので映像には反映されません。
本格的にプレイしたいなら、高リフレッシュレートに対応したゲーミングモニターにつなげましょう。
モンハンワールドは最高画質だとフレームレートが60を下回りますが、PS4のフレームレートが30前後なので非常に快適。
最高画質から高画質に落とすと、70以上のフレームレートをキープできます。
DAIV 5Nレビューまとめ

レビューのまとめとして、5Nの特徴を再度おさらいしておきます。
最新CPU搭載で処理が高速化
薄型・軽量で持ち運びやすい
sRGBカバー率約100%の広色域
各種業務やゲーム用途でも活躍
SDカードスロットが非搭載
ACアダプターが大きく重い
動画や写真、イラストから事務仕事まで、幅広い用途で活躍するクリエイターPCです。
旧型からスペックが底上げされているだけではなく、小型軽量化でさらに使いやすいモデルになりました。
消費税と送料込みで約20万円といいお値段ですが、投資に見合った価値をきっと実感できるでしょう。
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