ドスパラが販売するクリエイターパソコン、raytrek(レイトレック)R5-TA6 32GBをお借りしました。
Core i7-11800HとRTX 3060を搭載したハイスペックモデルで、ノートPCでもがっつり動画編集をやりこみたい方におすすめです。
予算20万円くらいでクリエイター向けのPCを探している方は、ぜひご覧ください。
目次リンク
レイトレック R5-TA6の概要や特徴
レイトレック R5-TA6がどんなパソコンなのか、特徴を整理すると以下の通り。
動画編集など重い作業もサクサク
sRGBカバー率約98%の広色域
パソコンゲームも快適にプレイ
Thunderbolt 4を標準搭載
ターボモードはファンがうるさい
スペックやデザインなど、順にご説明します。
スペック
CPUやGPUなど、今回お借りしたパソコンの基本構成は以下の通り。
OS | Windows 10 Home 64ビット |
---|---|
CPU | Core i7-11800H |
GPU | GeForce RTX 3060 |
メモリ | 32GB(16GB×2) |
ストレージ | 1TB NVMe M.2 SSD |
販売価格 | 203,280円(消費税・配送料込)※離島除く |
CPUとGPUの詳しいスペックを知りたい方は、こちらをご覧ください。
メモリは32GB、ストレージも1TBと十分な容量が搭載されています。
掲載している仕様および価格は記事執筆時点のものです。最新情報は各公式サイトにてご確認ください。
カスタマイズモデルも販売中
レイトレック R5-TA6は、メモリやストレージのカスタマイズに対応したモデルも販売中。
標準仕様の主なスペックは以下の通り。
OS | Windows 10 Home 64ビット |
---|---|
CPU | Core i7-11800H |
GPU | GeForce RTX 3060 |
メモリ | 16GB(8GB×2) |
ストレージ | 512GB NVMe M.2 SSD |
販売価格 | 183,280円(消費税・配送料込)※離島除く |
記事執筆時点ではメモリは最大64GB、ストレージは最大4TB(2TB×2)まで増設が可能。
予算と用途に合わせて、最適なモデルを選んでください。
外観・大きさ
ここからはレイトレック R5-TA6の外観を見ていきます。
シルバーの天板にraytrekのロゴのみ、というシンプルなデザインです。
職場で使用していても、まったく違和感がありません。
底面はパソコン内部の熱を逃がすために、ところどころメッシュ状になっているため、ふさがないように気を付けましょう。
仕様上の大きさは360×244mmで、15.6型としては標準的な大きさ。
高さは約23mmと、やや厚みがあるものの搭載されているスペックを考えれば十分スリムに思えます。
一般的なビジネスバッグで難なく持ち運べるサイズです。
重量は実測で約2.0kgでした。
毎日持ち歩くには少々重たく感じるかもしれません。
ACアダプター
ACアダプターは180Wの高出力タイプ。
消費電力の高いパーツを搭載しているため、そこそこ大きいです。
ケーブル込みの重量は約589gでした。
仕様上のバッテリー駆動時間は約6.6時間とそれなり。
数時間程度の外出ならバッテリーだけでまかなえそうですが、重い作業をするときは基本的にACアダプター必須と考えたほうがよいでしょう。
インターフェイス
ここからは各種インターフェイスを見ていきます。
まずは本体の左側から。
- ケンジントンロック
- USB3.2 Gen2
- マイク
- イヤホン
右側にもUSBポートなどが用意されています。
- SDカードリーダー
- USB 3.2 Gen1 ×2
電源ケーブルや外部モニターとの接続端子は背面にあります。
- Thunderbolt 4
- HDMI 2.1
- LAN
- 電源
Thunderbolt 4は最大40Gbpsの通信に対応。
対応製品をお持ちであれば、重たいデータも高速でやりとりが可能です。
さらにBluetooth 5.1はもちろん、最新通信規格のWi-Fi 6にも対応。
有線LANポートも用意されていますが、無線でも快適に大容量データのやりとりが可能です。
キーボード
キーボードはテンキーつき日本語配列の102キー。
今までのレイトレックはキー配列にクセのあるモデルが多かったのですが、打ちやすい配列に進化しています。
テンキーを多用する方は、0の位置が右にずれているので最初は戸惑うかもしれません。
電源ボタンの左側に用意されているのは、モードチェンジボタン。
プリインストールされているControl Centerからモードを変えることもできます。
重たい作業をするときはターボモードがおすすめですが、ファンの回転音はかなり大きいので要注意。
バックライトの色や明るさ、発光パターンも変えられます。
キーごとに色を変えるような、細かいカスタマイズには対応していません。
タッチパッドは一体型で、サラサラとした質感で使いやすいです。
指紋認証などの機能は非搭載です。
ディスプレイ
ディスプレイは15.6インチのフルHD(1,920×1,080)解像度。
リフレッシュレートも60Hzと標準的なスペックです。
ふちの薄いナローベゼルかつノングレア(非光沢)仕様で、視野角も十分広く感じました。
仕様上に記載がないので推測にはなりますが、パネルはIPSまたは同等レベルの製品と思われます。
ディスプレイ上部にはWebカメラも搭載。
ビデオ通話やオンライン会議などの用途で活躍します。
ディスプレイは最大でここまで開きます。
sRGBカバー率約98%
i1 Profilerでディスプレイの色域をチェックした結果は以下の通り。
- sRGBカバー率:98.2%
- AdobeRGBカバー率:75.9%
sRGBカバー率は、ほぼ100%といってしまって問題なさそうです。
クリエイターPCとしては十分な色域の広さといえるでしょう。
写真やイラストなど、Webで完結する作業なら業務レベルでも使用可能。
AdobeRGBカバー率は少し低めなので、印刷を前提とした業務では、さすがにカラーマネジメントモニターが必要です。
クリエイティブ性能の検証
ここからは実際にraytrek R5-TA6でクリエイティブ系ソフトウェアを動かして、どれくらい快適に作業できるのかを検証しました。
検証時はControl Centerで「ターボモード」に設定しています。
動画編集
まずはPremiere Proで動画編集を試しました。
パワフルなCPUとGPU、さらにメモリが32GBも搭載されているため、Youtube動画を作る程度の作業ならまったくストレスを感じません。
複数の動画をつなげたり、テロップやエフェクトを加えるなど、処理の遅延を感じることなく快適に作業できます。
4K動画の編集やAfter Effectsなどをフル活用すると、さすがに多少重くなる場面はありそうです。
書き出し速度の検証
4K動画の書き出しに、どれくらい時間がかかるかも検証しました。
検証のために用意したのは、GoPro HERO7 Blackで撮影した4K 60fpsの動画データ。
書き出し条件とかかった時間は以下の通り。
H.264(Youtube 1080p FHD) | 22:41 |
---|---|
H.264(Youtube 2160p 4K UHD) | 6:32 |
4KからフルHDへの書き出しには少し時間がかかりましたが、ノートPCとしては十分すぎるほど速いです。
クリエイター向けのデスクトップPCなら同条件で5分を切るモデルもあり、さすがに差はあります。
RAW現像
続いてLightroomでRAWデータの書き出し速度をチェックしました。
書き出し条件は以下の通り。
画像形式 | JPEG |
---|---|
画質 | 100 |
カラースペース | sRGB |
画像のサイズ | 未調整(撮影データそのまま) |
解像度 | 350 |
メタデータ | すべてのメタデータ (人物情報や撮影場所の情報は削除) |
画素数別にそれぞれ100枚を書き出して、かかった時間を計測した結果がこちら。
4575万画素 Nikon D850 | |
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3635万画素 Nikon D810 | |
2420万画素 SONY α7 III | |
2020万画素 Canon G7 X |
想像以上に速くて驚きました。
デスクトップ向けのハイエンドCPU、Core i9-11900Kと肩を並べる書き出し速度です。
日々時間に追われているプロカメラマンも安心して使える性能です。
レタッチもそこそこ快適
Photoshopでフィルター適用時の処理速度をチェックしました。
高画素データはさすがに処理に数秒程度かかるものの、一般的なノートパソコンと比べれば爆速です。
トーンカーブや色味の調整など、何十枚とレイヤーを重ねるような画像処理も快適に作業できます。
イラスト・マンガ
IllustratorとCLIP STUDIO PAINT(クリスタ)も動かしてみました。
Illustratorではちょっとしたロゴを作ったり、高解像度の写真データを埋め込んだチラシ用の印刷データを整えるなど、いずれもサクサク動かせます。
ファイルサイズが数GBを超えるような重たいデータでない限り、スムーズに動かせるでしょう。
クリスタも処理の遅延を感じることなくサックサクに動かせました。
ペイントソフトは動作の軽いものが多く、イラストやマンガの制作がメインならもっとスペックの低いPCでも快適に動かせます。
各種ベンチマーク結果
各種クリエイティブソフトを快適に動かせることがわかったところで、ここからは各種ベンチマークソフトの検証結果をご紹介します。
まずはパソコンの総合的な性能をチェックするPC Mark10を試した結果がこちら。
一般的な薄型ノートPCだと「Digital Content Creation」のスコアは4,000~5,000前後なので、9,000越えは素晴らしいです。
各種クリエイティブ用途はもちろん、ExcelやWordなどの事務作業、ゲームもサクサクこなせるスペックです。
計測結果はいずれも当サイトで検証したものなので、あくまで参考程度にお考えください。
CINEBENCH R20
主なCPUをCINEBENCH R20のスコアで比較してみると以下の通り。
Core i7-11700 | |
---|---|
Ryzen 9 5900HS | |
Core i7-11800H | |
Core i7-10875H | |
Core i5-11400F |
デスクトップ向けCPUのCore i7-11700とはさすがに差があるものの、ノートPC向けCPUとしては間違いなくトップレベルの性能です。
Crystal Disk Mark
CrystalDiskMarkでストレージの転送速度をチェックしたところ、読み込みで3,148MB/sと素晴らしいスコアでした。
書き込みはわずかに速度が落ちるものの、実用上気になることはないでしょう。
一般的なSSD(SATA)やHDDと平均的な転送速度を比較すると、以下の通り。
NVMe M.2 SSD (Gen4) | |
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NVMe M.2 SSD | |
SSD(SATA) | |
HDD |
ハイエンドクラスのNVMe M.2 SSD(Gen4)なら、読み込み速度が7,000MB/sを超えるものもあります。
Fire Strike
3DMarkのFire Strikeのスコアを比較すると以下の通り。
RTX 3060 | |
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RTX 2060 SUPER | |
RTX 3060 Laptop | |
GTX 1660 Ti | |
RTX 3050 Ti |
ノートPC向けのRTX 3060ということもあり、デスクトップ向けと比べると少しスコアが落ちました。
動画編集やRAW現像などの用途であれば、十分すぎるほどの性能です。
VR Mark
参考までに、VR Markの各種スコアはご覧の通り。
重量級のVRゲームでなければ、快適に動かせそうです。
VRゲームをプレイするには、別売りのヘッドマウントディスプレイが必要です。
オンラインゲーム
定番のベンチマークソフトも走らせました。
解像度は1,920×1,080(フルHD)に設定したところ、重量級ゲームのFF15が最高画質で「快適」という結果でした。
クリエイター向けのPCではありますが、PCゲームも普通に動かせてしまいます。
グラフィックが軽めのFF14なら最高画質でサックサクです。
FF15
高品質 | 8500(快適) |
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標準品質 | 11035(とても快適) |
軽量品質 | 13250(非常に快適) |
FF14 暁月のフィナーレ
最高品質 | 16426(非常に快適) |
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高品質 | 19143(非常に快適) |
標準品質 | 21783(非常に快適) |
フレームレート検証
実際にフォートナイトを動かしてどの程度のフレームレートを出せるか検証しました。
最高画質~低画質の平均フレームレートは以下の通り。
最高画質 | |
---|---|
高画質 | |
中画質 | |
低画質 |
いずれもレンダリングモードはDirectX 11で、3D解像度は100%に設定して検証した結果です。
RTX 3060が搭載されていることもあり、最高画質でも快適にプレイできます。
低画質まで落とせば300近くまでフレームレートは伸びるものの、モニターのリフレッシュレートが60Hzなので映像には反映されません。
ゲームもしっかりやりたい方は、ゲーミングモニターにつなげてプレイすることをおすすめします。
オールマイティーに活躍するノート
レビューのまとめとして、レイトレック R5-TA6の特徴を再度おさらいしておきます。
動画編集など重い作業もサクサク
sRGBカバー率約98%の広色域
パソコンゲームも快適にプレイ
Thunderbolt 4を標準搭載
ターボモードはファンがうるさい
約20万円といいお値段ではありますが、投資に見合った価値を十二分に実感できるハイスペックマシンです。
動画や写真、イラストにゲームなど、ノートPC1台でいろいろやりたい方にとって、頼もしい相棒になってくれることでしょう。
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幅広く活躍するクリエイター向けPCを探している方は、検討してみてはいかがでしょうか。