マウスコンピューターが手掛けるクリエイター向けパソコン、DAIV-NG7510S2-M2SH2をお借りしました。
17.3型の薄型ボディに高性能なCPUとグラフィックスを搭載した、万能型と呼べるノートパソコン。
RAW現像や動画編集をはじめ、各種パソコンゲームなども快適に動かせるのかどうかを細かく検証しました。
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DAIV-NG7510S2-M2SH2

DAIVのNG7510シリーズは、クリエイター向けノートパソコンの中では大きめの17.3型でありながら、最大29mmという薄型ボディが魅力のモデルです。
DAIVにはNG7630という同じく17.3型のクリエイターノートもラインナップされていますが、40mmを超える分厚さ。
分厚さに見合った実力を備えてはいるものの、持ち運びやすいとは言えません。
多少スペックを落としても、薄型で持ち運びやすいモデルが欲しい! という方にはNG7510がぴったりといえるでしょう。
さらに、NG7510シリーズのディスプレイはAdobe RGB比100%に対応した4K-UHDなので、厳密な色の管理が求められるクリエイターも安心。
グラフィックスにはGeForceのGTX1070を搭載し、動画編集が快適になるだけでなく、ほとんどのパソコンゲームを快適に楽しめます。
スペック
DAIV-NG7510S2-M2SH2の基本スペックは以下の通り。
OS | Windows 10 Home 64ビット |
---|---|
CPU | インテル Core i7-8750H 6コア/ 2.20GHz/ TB時最大4.10GHz 9MB スマートキャッシュ/ HT対応 |
GPU | GeForce GTX1070 ビデオメモリ8GB |
メモリ | 32GB(16GB×2) |
ストレージ | 256GB NVMe M.2 SSD 1TB HDD |
搭載されているCPUは、高性能なゲーミングノートによく使われている第8世代のCore i7-8750H。
6コア12スレッドという、ノートパソコン用のCPUではトップクラスの性能を誇ります。
同じCPUを搭載したパソコンを何台か使用していますが、いずれも文句なしの実力を見せてくれています。
CPU-Zの分析結果は以下の通り。

メモリもたっぷり32GB積んでいるので、動画編集もサクサク快適に進むはずです。
ラインナップ

今回お借りしたのはDAIV-NG7510S2-M2SH2ですが、NG7510シリーズは以下5種類がラインナップされています。
モデル | CPU | グラフィックス | メモリ | 価格(税別) |
---|---|---|---|---|
NG7510E1-S2 | Core i7-8750H | GTX1070 | 8GB | 234,800円〜 |
NG7510E1-SH2 | Core i7-8750H | GTX1070 | 8GB | 239,800円〜 |
NG7510S1-SH5 | Core i7-8750H | GTX1070 | 16GB | 249,800円〜 |
NG7510S2-M2SH2 | Core i7-8750H | GTX1070 | 32GB | 269,800円〜 |
NG7510U2-M2SS10 | Core i7-8750H | GTX1070 | 32GB | 289,800円〜 |
CPUとグラフィックス、メモリが同じなのに価格が異なるのは、ストレージに差があるから。
価格が高いモデルほど転送速度の速いストレージを搭載しているので、予算に余裕がある方は高額モデルを検討してみてください。
記載している仕様および価格は記事執筆時点のものなので、最新情報はその都度公式サイトにてご確認をお願いします。
NG7630シリーズ
上位モデルとなるNG7630シリーズのラインナップは以下の通り。
第9世代のCPUと高性能なグラフィックス、メモリもたっぷりとデスクトップパソコン顔負けのスペックと価格です。
モデル | CPU | グラフィックス | メモリ | 価格(税別) |
---|---|---|---|---|
NG7630S1-M2S5 | Core i7-9700K | GTX1080 | 32GB | 359,800円〜 |
NG7630H1-M2S10 | Core i7-9700K | GTX1080 | 32GB | 379,800円〜 |
NG7630H1-SH2 | Core i9-9900K | GTX1080 | 32GB | 369,800円~ |
NG7630U1-S40 | Core i9-9900K | GTX1080 | 64GB | 479,800円~ |
NG7630U1-M2SS | Core i9-9900K | GTX1080 | 64GB | 489,800円~ |
以前、税込価格が50万円を超えるNG7630U1-M2SSをお借りしたので、興味がある方は以下の記事もあわせてご覧ください。

外観・サイズ

本体の寸法は421.5×292mm(突起部を含む)と大きめです。
写真だけだと少々サイズ感が伝わりづらいので、一般的な大きさのクリアファイルを並べてみました。

家電量販店にたくさん並んでいる一般的なノートパソコンと比べると、2周りほど大きいです。
このサイズのパソコンがすっぽり入るカバンを探すとなると、登山用のリュックが必要になりそう・・・
安全に持ち運ぶことを考えるなら、専用のパソコンバッグを用意したほうがよいでしょう。

裏面は廃熱のためにメッシュ状になっています。

重量は約3.0kgあるため、片手で持ち上げるのは少々しんどいですね。
万が一落としてしまったら大変なので、持ち運ぶときは必ず両手を使いましょう。
インターフェイス

インターフェイスはとても充実していて、左側面には外部ディスプレイと接続できるHDMIをはじめ、4K解像度に対応したMini DisplayPortも2つ搭載。
USB3.1のThunderbolt端子もあるので、さまざまなディスプレイと簡単に接続可能。
Type-AのUSB端子も2つあるため、外付けHDDやUSBメモリなども接続しやすいですね。
右側面にもUSB端子が2つ、SDカードなどを読み込めるカードリーダーをはじめ、有線LANやイヤホンやマイクなども接続可能です。
背面にはこれといった入力端子がなく、排熱用のダクトのみ。
真っ赤なダクトがかっこいいですね。
ACアダプターは巨大

付属しているACアダプターは230Wの大出力モデル。
実測で約17×9cmと、一般的なノートパソコンのACアダプターより大きめで、ずっしり重みがあります。
幼稚園児のお弁当箱より大きいですね、これ。
バッテリーの動作時間は約5.79時間となっていますが、基本的にACアダプターに接続して使うのがよさそうです。
ちょっとした事務作業程度なら、バッテリーでも1~2時間は作業できるでしょう。
ディスプレイ

ディスプレイはAdobe RGB比100%に対応した4K-UHD(3,840×2,160ドット)のノングレア液晶。
ノングレア液晶とはつや消しタイプのことで、あえて蛍光灯が映り込むように撮影していますが、くっきり映り込んでいないのがわかるでしょうか。
「ツヤツヤのディスプレイのほうが好き!」
という方もいるとは思いますが、ノングレアのほうが目が疲れにくいというメリットがあります。
視野角も水平・垂直共に178度と広く、横から見ても色味が変わりにくいのが特徴です。
ただし、Adobe RGB比100%に対応しているといえど、正しい色を表示させるには定期的なキャリブレーションが必須。
色の再現性にこだわりたい方は、X-riteのi1Display Proなどを使ってディスプレイの色を整えておきましょう。
キーボード

キーボードはテンキー付きで、仕様上のキーピッチは約18.0mm、キーストロークは約1.8mm。
右側のShiftキーやCtrlキーがとても小さいので、慣れるまでは少々戸惑いそうです。
タイプ音は品のある静かな音で、強く叩きつけない限り大きな音はなりません。
実際にタイピングしているところを動画にしてみたので、参考までにご覧ください。
カチャカチャ系の音が好きな方だと、少々物足りなさを感じるかもしれませんね。
打鍵感も軽快で心地よいので、長時間使い続けても疲れることはなさそうです。

タッチパッドには指紋認証リーダーも搭載。
ツルツルとした質感なので、手汗をかきやすい人はちょっと使いづらいかもしれません。
個人的にはさらさらとした触感のタッチパッドが好きです。

バックライトも搭載されているため、暗い場所で作業するときも打ち間違いを防げます。
上位モデルのNG7630はバックライトのカラーを自由に設定できましたが、NG7510はできないようです。

ただ、バックライトの明るさはプリインストールされているコントロールセンターから調整可能です。
各種ベンチマーク結果
ここからはCPUやグラフィックスなどの性能を、各種ベンチマークソフトを使用しながら検証していきます。
CPU

CINEBENCH R15でCPUの性能をチェックしたところ、1186cbという結果でした。
第9世代のデスクトップパソコン向けCPUと比べると差はあるものの、ノートパソコンとしては十分すぎる結果です。

同じ第8世代のCore i7でも、薄型ノートパソコンによく使われている8565Uとの差は2倍以上です。
いずれも当ブログで検証した数値なので、参考程度にお考えください。
ストレージ
CrystalDiskMarkで256GBのSSD(PCle)と1TBのHDDの転送速度もチェックしました。
SSD(PCle)の転送速度は早いものだと3,000MB/sを超えますが、結果は1,745MB/sとパッとしない結果に。
一般的なSSDと比べれば十分早いので大きな問題はありませんが。
HDDは139MB/sと、ごく普通の結果です。
SSD(PCle)

HDD

3D性能

オンラインゲームを快適にプレイするうえで重要となる3D性能をチェックするため、3DMarkのFire Strikeのスコアも確認したところ13339でした。
パソコンの3D性能はグラフィックスの性能がダイレクトに影響します。

いずれも当ブログで検証した数値ですが、なんとも順当な結果が出ています。
もっとも数値が低いIntel UHD Graphics 620というのは、一般的なパソコンに標準搭載されている内蔵グラフィックスのこと。
ネットサーフィンや事務作業をする程度なら問題ないものの、3Dゲームで遊ぶには完全に実力不足です。
オンラインゲーム
有名どころのオンラインゲームが快適に動くかどうかも、各ゲームのベンチマークソフトでチェックしてみました。
いずれも1920×1080(フルHD)の環境で確認しています。
GTX1070はミドルクラスのグラフィックスですが、高画質で重いと評判のFF15でも画質を多少調整すれば快適に遊べそうです。
FF15

高品質 | 5983(やや快適) |
---|---|
標準品質 | 7950(快適) |
軽量品質 | 9697(とても快適) |
FF14 紅蓮のリベレーター

最高品質 | 11119(非常に快適) |
---|---|
高品質 | 11695(非常に快適) |
標準品質 | 12273(非常に快適) |
ドラゴンクエストX

最高品質 | 12374(すごく快適) |
---|---|
標準品質 | 12552(すごく快適) |
低品質 | 13588(すごく快適) |
オンラインゲームを実際にプレイ
ベンチマークソフトを走らせているだけだと、いまいちパソコンの実力がわかりづらいので、実際にオンラインゲームを遊んでみました。
今回試してみたのはフォートナイトとPUBG。
いずれも2~3分のプレイ動画を作成したので、参考にしてみてください。
フォートナイト
DAIV-NG7510でフォートナイトを遊ぶとき、1点注意が必要です。
画質の設定をオートにしてしまうと、4Kディスプレイに合わせた設定になってしまい、fpsが30前後にまで落ち込んでしまいます。
画質を落としすぎずに60以上のfpsをキープするなら、解像度を4KからフルHDに落とすことをおすすめします。
4Kディスプレイは写真編集や動画編集でとても便利ですが、オンラインゲームを遊ぶときは要注意ですね。
高画質な4Kディスプレイでヌルヌル遊ぶには、GTX1080以上のグラフィックスが必要です。
PUBG
フォートナイトで画質調整に苦労したので、PUBGは最初から解像度をフルHDに設定して遊んでみました。
プレイが下手くそすぎる点には目をつぶってほしいですが、常時100前後のfpsを出せています。
ちょこちょこPUBGをプレイしていますが、一向にキル数が伸びていきません・・・

RAW現像の処理速度を検証
ここからはAdobeのLightroomを使用して、RAW現像の処理速度をチェックしてみます。
高性能なCPUとグラフィックスを搭載しているので、RAW現像もサックサクです。
現像時の様子を動画にまとめてみたので、よろしければご覧ください。
各種プリセットも瞬時に適用されますし、画像をトリミングしたり、ホワイトバランスなどを調整しても、もたつくことは一切ありませんでした。
17.3型のディスプレイは画面が大きくて使いやすいです。
jpegへの書き出しも高速
現像時の処理速度だけではなく、jpegへの書き出し速度もチェックしてみます。
使用したのは有効画素数3,635万のD810で撮影したRAWデータ100枚。
書き出し条件は以下の通りです。
- 画像形式:JPEG
- 画質:100
- カラースペース:sRGB
- 画像のサイズ:未調整(撮影データそのまま)
- 解像度:350
- メタデータ:すべてのメタデータ(人物情報や撮影場所の情報は削除)
なんと3分も経たずに書き出しが終わりました。

3分ちょっとかかるだろうと思っていたので、良い意味で裏切られました。
これだけ書き出しが早ければ、日々何百枚ものRAWデータを現像しているプロカメラマンも安心して使えますね。
書き出し中は冷却用のファンが動きますが、そこまでうるさい感じはしませんでした。
静まり返った場所でパソコンを使用していると、さすがに気になるかもしれませんが、仕事場で使うならまったく問題ない程度の音です。
動画編集の処理速度を検証

動画編集もPremiere Proをインストールして検証してみました。
処理速度がサクサクと快適な点に加えて、画面が大きいので編集がとてもやりやすいです。
小さいディスプレイだと細かいパラメーターをいじるのが大変で、ストレスがたまります。
その点、17.3型は動画編集との相性抜群ですね。
メモリも32GB搭載しているので、作業中にフリーズしたり、重くなるようなことも一切ありませんでした。
2分程度の動画なら書き出しも1分とかかりませんし、非常に快適。
日々Youtube動画を作成している方にも、おすすめのパソコンです。
幅広く使えるクリエイターノート

17.3型という大きさなので持ち運びは少々大変ですが、総合的にみると万能に使えるクリエイターノートだと感じました。
RAW現像や動画編集もサクサク快適に動いてくれますし、解像度を調整すればオンラインゲームもスムーズにプレイ可能。
自宅や仕事場など、パソコンを使う場所がある程度固定されている方なら、とても相性の良いパソコンですね。
価格帯も標準仕様なら20万円台で購入できるため、小規模事業者やフリーランスの方は一括で経費計上できるのもうれしいところ。
もちろんオプションでいろいろ加えていくと、あっという間に30万円を超えていくので要注意です。
仕事にも遊びにも使えるクリエイターノートを探している方は、ぜひチェックしてみてください。