マウスコンピューターが販売するクリエイターパソコン、DAIV-DGZ530シリーズをお借りしました。
DAIVブランドの中でも人気の高い売れ筋モデルで、最新グラフィックカードのRTX2060 SUPERを搭載。
写真や動画の編集など、各種クリエイティブ用途がどれくらい快適になるのかじっくり検証しました。
デスクトップパソコンの購入を検討中の方は、ぜひご覧ください。
目次
DAIV-DGZ531の仕様や特徴

今回お借りしたマシンは、DAIV-DGZ531S4-M2SH2-VRというモデル。
パソコンの総合的な性能をチェックするベンチマークソフト、PCmark 10のスコアは6,268でした。

一般的な薄型ノートパソコンと比べると、2倍以上のスコア。
ExcelやWordなどの事務作業は当然ながら、写真や動画などの編集もサクサクこなせる実力があります。
スペック
CPUやグラフィックカード(GPU)など、パソコンの基本構成は以下の通り。
OS | Windows 10 Home 64ビット |
---|---|
CPU | Core i7-9700 |
GPU | GeForce RTX2060 SUPER |
メモリ | 16GB(8GB×2) |
ストレージ | NVMe M.2 SSD 256GB HDD 2TB |
CPUは8コアを搭載した第9世代のCore i7。
詳しいスペックが気になる方は、CPU-Zの結果をご覧ください。

グラフィックスはミドルクラスのRTX2060 SUPERを搭載。
GPU-Zの結果は以下の通り。

ストレージはHDDが2TBとたっぷり仕様なので、RAWデータや動画素材を大量に保存したい方も安心。
メモリも16GBあるため、4K動画をがっつり編集するような重い作業でない限り、ストレスを感じる場面は少ないでしょう。
ラインナップ
DGZ530シリーズはラインナップの幅広さが魅力。
10万円台から買えるエントリークラスから、軽自動車が買えるくらいのハイエンド仕様まで。
予算や用途に合わせて細かくカスタマイズできるので、希望に合ったパソコンがきっと見つかります。
CPU | GPU | メモリ | ストレージ | 価格(税別) |
---|---|---|---|---|
Core i5-9400 | GTX1650 | 8GB | M.2 SSD 256GB | 109,800円〜 |
Core i5-9400 | GTX1660 | 32GB | M.2 SSD 256GB | 139,800円〜 |
Core i7-9700K | GTX1660 Ti | 16GB | M.2 SSD 256GB | 179,800円〜 |
Core i7-9700 | RTX2060 SUPER | 16GB | M.2 SSD 256GB HDD 2TB | 184,800円〜 |
Core i9-9900K | GTX1660 Ti | 16GB | M.2 SSD 512GB | 209,800円〜 |
Core i9-9900K | RTX2060 SUPER | 16GB | M.2 SSD 512GB | 219,800円〜 |
Core i9-9900K | RTX2070 SUPER | 32GB | M.2 SSD 512GB HDD 2TB | 244,800円〜 |
Core i9-9900K | RTX2080 SUPER | 32GB | M.2 SSD 512GB | 289,800円〜 |
記載している仕様および価格は記事執筆時点のものです。
パソコンは時期によって価格が変動しますし、タイミングが良ければキャンペーンなどでお得に買えます。
最新情報は必ず公式サイトにてご確認ください。
ケース外観
ここからはケースの外観を見ていきます。
指紋の目立ちにくいマットな質感で、高級感のある素材が使われています。


仕様上の大きさは49cm×49cm×19cmと、そこそこ大きめ。
シンプルなデザインに、うっすらとDAIVのロゴマークが浮かびます。
前後から見た様子はこちら。


DAIVのデスクトップパソコンは、持ち運び用の取っ手がついているのが特徴的。

+900円の有料オプションにはなるものの、キャスターも付けられます。

標準仕様で重さが約10kgあるため、パソコンを頻繁に移動したり、スタジオなどに持ち込む可能性があるなら、キャスターの追加を強くおすすめします。
着脱式メッシュパネル

前面には着脱式のメッシュパネルが使われていて、マグネットで簡単に取り外せます。
今回お借りしたモデルは非搭載ですが、光学ドライブやカードリーダーもオプションで追加可能。
SDカードなどを頻繁に利用する方は、CFカードにも対応したUSB3.0接続のマルチカードリーダー(+3,800円)がおすすめです。

前面パネルの下段にある防塵フィルターは水洗い可能。
どうしてもホコリはたまっていくものなので、サッと取り外せてメンテナンスできるのは便利です。
インターフェイス
ここからは各インターフェイスを見ていきます。
右側にある丸いダイヤル式スイッチが電源で、右方向に軽く回すと電源が入ります。

Type-A形状のUSB3.0が2つ、マイクやイヤホンのジャックも前面パネルにそろっていて使い勝手が良いです。
天板には接続端子類が何もないため、一時的に機材などを置いておくスペースとして使用可能。

ただし、ツルツルと滑りやすい素材なので、機材の落下にはくれぐれも要注意。
背面の主なインターフェイスはこちら。


背面にはUSB3.0のポートが4つ、USB3.1に対応したポートはType-AとType-C、それぞれ1つずつ。
PS/2端子のキーボードやマウスも接続可能です。
ディスプレイとつなげるための接続端子は以下の2種類。
- DisplayPort ×3
- HDMI ×1
また、標準仕様だと無線LANは非搭載。
有線でインターネットにつなげるか、有料オプションで無線LANの拡張カード(+5,800円)を追加しましょう。
Amazonなどで外付けの無線LAN用アダプターを別途購入するのもひとつです。
ケース内部
ここからはケースの内部を見ていきます。


配線や各パーツが黒一色で統一されていて、見た目がスッキリ。
ストレージを大量に使用するクリエイターのために、ストレージベイがたくさん用意されているのも特徴的です。
空冷CPUクーラー

CPUクーラーはシングルファンの空冷式で、COOLER MASTERの製品が使われていました。
重いPCゲームを動かしているときでもCPU温度は60度前後をキープできていたので、冷却性能は問題なさそう。
ただ、うるさいと感じることはないものの、扇風機を弱で回している程度の音が聞こえてきます。
寝室にパソコンを設置して、シャットダウンせずに寝るときは、さすがにファンの回転音が気になるかもしれません。
静音性を重視したいなら、オプションでCPUクーラーのアップグレードがおすすめです。
外排気タイプのGPU

グラフィックカードは外排気タイプのRTX2060 SUPERが使われていました。
PCゲームなどを動かしていると、パソコンの背面からそこそこ暖かい風が出てきます。
メモリ

メモリはCPUクーラーの右側に8GBのものが2つ刺さっています。
空スロットが2つあるので、最大4枚まで増設可能。
搭載可能な最大容量は64GB(16GB×4)です。
メモリの増設は比較的簡単にできますが、メモリの交換による故障は保証対象外になる可能性があるため要注意。
心配な方はオプションでメモリの増設を選びましょう。
ストレージ
ストレージはSSDとHDDのデュアル仕様。
M.2 SSDはCPUクーラーの下側に設置されています。

予算に余裕があれば、読み出し速度が3,000MB/sを超えるNVMe M.2 SSDへのアップグレードがおすすめ。
パソコンの起動やファイルの読み込みなどが目に見えて速くなります。

HDDはストレージベイに収まっています。
標準仕様の2TBで足らない方は、オプションで容量または台数を追加しましょう。
電源

電源は500W(80PLUS BRONZE)のものが使われています。
パソコンにとって心臓部となるパーツなので、予算に余裕があればアップグレードを考えてみてください。
+4,800円で700W (80PLUS GOLD )の電源に変えられます。
クリエイティブ性能の検証
ここまでDAIV-DGZ531S4-M2SH2-VRの基本的なスペック面をご紹介しました。
ここからは実際に各種ソフトウェアを動かして、どれくらい快適に作業できるかを見ていきます。
検証に使用したソフトは以下の5つで、WQHD解像度(2560×1440)のモニターを使用しました。
- Photoshop
- Lightroom
- Premiere pro
- Illustrator
- CLIP STUDIO PAINT
順にご紹介します。
Photoshop

まずは画像加工ソフトの代名詞的存在、Photoshopでテスト。
7,360×4,912ピクセルの写真データを軽めにレタッチしてみたところ、処理が重くなるような場面は一切ありませんでした。
トーンカーブや色味の調整など、何十枚とレイヤーを重ねるようなレタッチでもスムーズに動かせるでしょう。
フィルター適用もスムーズ

各種フィルター類の適用も試したところ、いずれも3~4秒ほどで処理が完了。
さすがに多少の時間がかかるものの、7,360×4,912ピクセルのデータをほんの数秒で処理できるなら合格点です。
Lightroom

続いてLightroomでRAWデータの書き出し速度をチェック。
書き出し条件は以下の通り。
画像形式 | JPEG |
---|---|
画質 | 100 |
カラースペース | sRGB |
画像のサイズ | 未調整(撮影データそのまま) |
解像度 | 350 |
メタデータ | すべてのメタデータ (人物情報や撮影場所の情報は削除) |
画素数別にそれぞれ100枚を書き出して、かかった時間を計測しました。
4575万画素 Nikon D850 | |
---|---|
3635万画素 Nikon D810 | |
2420万画素 SONY α7 III | |
2020万画素 Canon G7 X |
画素数が多くなるほど、書き出しにかかる時間も長くなります。
D850のRAWデータ100枚を3分以内に書き出せるなら、かなり優秀です。
Lightroomの書き出しは高性能なCPUほど速くなるため、速さを追求するならCore i9-9900K搭載モデルがおすすめ。
等倍表示や現像も快適
グラフィックカードにRTX2060 SUPERを搭載しているため、WQHD解像度のモニターでもサクサク現像できました。
等倍表示もほぼ遅延なく表示できますし、各種プリセットもスムーズに反映されて非常に快適です。

Premiere pro

動画編集の性能をチェックすべく、Premiere Proをインストール。
高性能なCPUとGPU、さらにメモリも16GBあるので、終始スムーズに編集できました。
HDDが2TBあるので、動画素材をたくさん保存できるのも便利です。
標準仕様でも問題ないものの、動画編集がメインならメモリは32GBに増やしたほうがよさそう。
4K動画の編集やAfter Effectsなども使うつもりなら、なおさらメモリには余裕を持たせておきましょう。
4K動画の書き出し

4K動画の書き出しに、どれくらい時間がかかるかも検証しました。
検証のために用意したのは、GoPro HERO7 Blackで撮影した4K 60fpsの動画データ。
書き出し条件とかかった時間は以下の通り。
H.264(Youtube 1080p FHD) | 5:05 |
---|---|
H.264(Youtube 2160p 4K UHD) | 6:42 |
一般的な薄型ノートパソコンだと4K動画の書き出しに40分以上かかることもありますから、なかなか優秀なスコアです。
動画編集用のパソコンを探している方にもおすすめです。

Illustrator

Illustratorをスムーズに動かせるかどうかもチェック。
ちょっとしたロゴを作ったり、高解像度の写真データを埋め込んだチラシ用の印刷データを整えたり、いずれもスムーズに動かせました。

IllustratorのCC 2019は「重い!」と評判ですが、推奨環境はすべて満たしているので問題なし。
余程重たいデータを扱わない限り、サクサク動かせるでしょう。
CLIP STUDIO PAINT

CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)も動かしてみたところ、まったく問題なく動かせました。
使用したペンタブはワコムのIntuos Small。
サンプルの絵が下手くそなのは筆者の仕様です。
クリスタはもともと動作が軽いので、イラストやマンガの制作がメインならスペックをもう少し落としてもよさそうです。

各種ベンチマーク結果
各種クリエイティブソフトを快適に動かせることがわかったところで、ここからは各種ベンチマークソフトの検証結果をご紹介します。
計測結果はいずれも当サイトで検証したものなので、あくまで参考程度にお考えください。
CINEBENCH R15

まずはCINEBENCH R15でCPUの性能をチェックしてみたところ、1,428cbという結果でした。
当サイトで検証した主なCPUのスコアと比較すると以下の通り。
Core i7-9900K | |
---|---|
Core i7-9800X | |
Core i7-9700 | |
Core i7-8700 |
CINEBENCH R20

CINEBENCH R20のスコアは3,225cbでした。
Crystal Disk Mark
CrystalDiskMarkでストレージの転送速度をチェックしたところ、M.2 SSDはなかなか優秀なスコアが出ました。
HDDは標準的な速度ですね。
Fire Strike

主にパソコンゲームを動かすうえで重要な指標となる、3DMarkのFire Strikeを走らせたところ、スコアは18,668でした。
RTX2060 SUPERを検証したのは今回がはじめてでしたが、上位モデルのRTX2070に迫るスコアです。
RTX2070 | |
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RTX2060 SUPER | |
GTX1660 Ti | |
GTX1650 |
動画や写真の編集がスムーズになるのはもちろん、最新の3Dゲームもサクサク動かせます。
VR Mark

VRゲームを快適に動かす指標となる、VRMarkのOrange Roomでは12,011というスコアが出ました。
最新VRゲームも快適に動かせます。
Orange Roomより重いCyan RoomとBlue Roomの結果は以下の通り。
Steam VRパフォーマンステスト

Steam VRパフォーマンステストも、最高スコアの「レディ」を叩き出しています。
オンラインゲーム
有名オンラインゲームのベンチマークソフトも走らせました。
いずれも解像度は1920×1080(フルHD)のデスクトップパソコンに設定しています。
重量級ゲームのFF15は高品質で「快適」という結果に。
RTX2060 SUPERの実力はすさまじいですね。
人気MMORPGのFF14やドラクエXも最高画質でサクサク動かせます。
FF15

高品質 | 8659(快適) |
---|---|
標準品質 | 11716(とても快適) |
軽量品質 | 15083(非常に快適) |
FF14 漆黒の反逆者

最高品質 | 17129(非常に快適) |
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ドラゴンクエストX

最高品質 | 23093(すごく快適) |
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フレームレート検証
ベンチマークソフトを走らせるだけではなく、実際にパソコンゲームを動かしてどの程度のフレームレートを出せるか検証しました。
今回プレイしたのは以下の4タイトルで、モニターはフルHD解像度(1920×1080)で統一しています。
- PUBG
- モンスターハンターワールド
- SEKIRO
- DEAD OR ALIVE 6
フレームレートの検出にはOCATを使用、ゲームプレイ中120秒間の平均値を算出しました。
PUBG

最高画質 | 151.4fps |
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PUBGは最高画質(ウルトラ)で常時150前後のフレームレートを出せました。かなり快適に動かせます。
モンスターハンターワールド

最高画質 | 83.2fps |
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モンスターハンターワールドはかなり重いゲームですが、最高画質で80以上のフレームレートをキープ。PS4では実現できない、高画質・高フレームレートで遊べます。
SEKIRO

最高画質 | 60fps |
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SEKIROはフレームレートが60以上に上がらない仕様です。比較的グラフィックが軽いので、最高画質で60ベタ付きで動かせました。
DEAD OR ALIVE 6

最高画質 | 60fps |
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DEAD OR ALIVE 6も最高画質でサクサク動かせました。とても快適に遊べます。
幅広く活躍するクリエイターPC

DAIVのデスクトップパソコン、DAIV-DGZ531S4-M2SH2-VRをさまざまな点から検証してみました。
動画や写真、イラストからゲームまで、幅広い用途で活躍する汎用性抜群のクリエイターPCですね。
約20万円といいお値段ながら、売れ筋モデルに選ばれているのも納得。
業務用パソコンとしてはもちろん、作業環境に妥協したくないハイアマチュアの方にもおすすめのマシンです。
パーツの構成は予算に合わせてカスタマイズできるので、気になる方は見積もり画面をポチポチいじってみてください。
