マウスコンピューターが販売するクリエイターパソコン、DAIV 5Pの最新モデルをお借りしました。
第10世代の最新CPUを搭載し、約18.5時間という長持ちバッテリーも搭載。
旧型からさらに薄型&軽量に進化して、パソコンを持ち歩く機会が多い方にピッタリな1台です。
幅広い用途で活躍するクリエイターPCを探している方は、ぜひご覧ください。
目次リンク
DAIV 5Pの概要や特徴

DAIV 5Pがどんなパソコンなのか、特徴を整理すると以下の通り。
約18.5時間のロングバッテリー
薄型・軽量で持ち運びに最適
sRGBカバー率約90%の広色域
各種業務やゲーム用途でも活躍
メモリがシングルチャネル
SDカードリーダーが非搭載
スペックやデザインなど、順にご説明します。
スペック
CPUやGPUなど、今回お借りしたパソコンの基本構成は以下の通り。
OS | Windows 10 Home 64ビット |
---|---|
CPU | Core i7-10750H |
GPU | GeForce GTX1650 |
メモリ | 16GB(16GB×1) |
ストレージ | NVMe M.2 SSD 512GB |
販売価格 | 139,800円~ |
CPUは第10世代のCore i7-10750Hで、6コア12スレッドで動作周波数は2.60GHz(最大5.00GHz)とノートパソコン向けのCPUとしてはハイエンドクラス。
性能が高い分、最大消費電力(TDP)は45Wとノートパソコン向けCPUとしてはかなり高め。
CPU-Zの結果は以下の通り。

GPUはエントリークラスのGTX1650を搭載。
動画編集やRAW現像などで役立つほか、軽めのパソコンゲームも動かせる実力があります。
GPU-Zの結果は以下の通り。

ストレージは標準仕様だと512GBと控えめなので、心配な方はオプションでストレージの追加がおすすめ。
メモリは16GBありますが、8GB×2ではなく16GB×1なのでアプリケーションによっては処理スピードが若干落ちます。
とはいえ4K動画をがっつり編集するなどの重い作業でない限り、ストレスを感じる場面は少ないでしょう。
標準仕様の販売価格は139,800円~で、消費税と送料込みだと157,080円。
マウスコンピューターではセールや各種キャンペーンを定期的に実施しているため、タイミングが良ければさらにお得に買えます。
最新情報はDAIVの公式ページをご覧ください。
外観・大きさ
ここからはDAIV 5Pの外観を見ていきます。


メタリックシルバーの天板にDAIVのロゴのみというシンプルなデザイン。
仕様上の大きさは356×233mmと、15.6型としてはコンパクトに仕上がっています。
分厚さはたったの17.9mmで、一般的なビジネスバッグに難なく収納可能。
収納スペースが少なめのカメラバッグでも持ち運びやすいサイズです。


裏面はパソコン内部の熱を逃がすために、ところどころメッシュ状になっています。
通気口をふさいでしまうことがないように、パソコンの設置場所には気を付けましょう。

重量は実測で約1.5kg。
それなりにずっしり感はあるものの、問題なく持ち運べる重さです。
新旧比較
新型の5Pと、以前お借りした旧型を比較してみます。
旧型は黒っぽいシルバーでしたが、新型はすっきりとしたシルバーに変更。
まるでMacbookProのようなスタイリッシュな見た目になりました。


新旧で主なスペックを比較すると以下の通り。
新型 | 旧型 | |
---|---|---|
寸法 | 356×233×17.9 | 360×243.5×20.3mm |
重量 | 約1.8kg | 約2.0kg |
CPU | Core i7-10750H | Core i7-9750H |
GPU | GeForce GTX1650 | GeForce GTX1650 |
メモリ | 16GB(16GB×1) | 16GB(8GB×2) |
販売価格 | 139,800円~ | 149,800円~ |
薄型・軽量に進化しただけでなく、値段も若干安くなりました。
ただし、筆者としてはメモリがシングルチャネル(16GB×1)になった点が気になるところ。
新型5Pはメモリスロットに空きがなく、デュアルチャネル(8GB×2)へのカスタマイズができません。
処理スピードを求める方は、上位モデルの5Nを検討したほうがいいかもしれません。

ACアダプター

ACアダプターは90Wのものが付属。
消費電力の高いCPUやGPUを搭載しているため仕方ありませんが、ACアダプターは少々大きめ。

ACアダプター単体の重量は約500g。
仕様上のバッテリー駆動時間は約18.5時間とたっぷり。
とはいえ重い作業は消費電力も高くなるため、なるべくACアダプターをつなげて使いましょう。
ちょっとした事務作業程度であれば、半日は問題なく持つでしょう。
インターフェイス
ここからは各種インターフェイスを見ていきます。

- USB3.0 Type-C
- USB3.0 Type-A
- HDMI
- 電源
USB Type-Cは給電や映像出力には非対応。
外部モニターとつなげるときはHDMIを使いましょう。

- LAN
- USB2.0 Type-A
- USB3.0 Type-A
- イヤホン
- カードリーダー
カードリーダーはmicro SDのみ。
SDカードなどを読み込みたい場合、外付けのカードリーダーを接続する必要があります。

背面には何もありません。
さらにBluetooth 5はもちろん、超高速規格のWi-Fi 6にも対応。
有線LANポートも用意されていますが、無線でも快適に大容量データのやりとりが可能です。
キーボード

キーボードはテンキーレスの日本語配列の88キー。
キーピッチは約18mmと標準的ですが、薄型化したゆえかキーストロークは約1.4mmと少し浅め。
目立ったクセもなく、違和感なくタイプできる配列です。


カーソルキーの上下がかなり狭いので、慣れるまではミスタイプが発生しやすいかもしれません。

タッチパッドは一体型で、サラサラとした質感で使いやすいです。
インジケーターランプでタッチパッドのON/OFFが一目でわかるのも便利です。

バックライトも搭載。
単色のみですが、暗い場所でもミスタイプを防げます。
ディスプレイ

ディスプレイは15.6型のフルHD(1,920×1,080)解像度でIPSパネルを採用。
ふちが薄いナローベゼルかつノングレア(非光沢)仕様で、視野角も約170度と広く非常に見やすいです。

ディスプレイ上部にはWebカメラも搭載。
ビデオ通話やオンライン会議などの用途で活躍します。
sRGBカバー率約90%


i1 Profilerでディスプレイの色域をチェックした結果は以下の通り。
- sRGBカバー率:90.7%
- AdobeRGBカバー率:70.1%
sRGB比は100%でしたが、カバー率は約90%。
クリエイターPCとしてはまずまずの色域の広さといえます。
動画編集や写真、イラストなど、Webで完結する業務なら仕事でも十分使えるスペックです。
印刷を前提とした業務だと、さすがにカラーマネジメントモニターを用意しましょう。
クリエイティブ性能の検証

ここまでDAIV 5Pの基本的なスペック面をご紹介しました。
ここからは実際に各種ソフトウェアを動かして、どれくらい快適に作業できるかを見ていきます。
検証に使用したソフトは以下の5つ。
- Photoshop
- Lightroom
- Premiere pro
- Illustrator
- CLIP STUDIO PAINT
また、重たい作業をするときはプリインストールされている専用アプリ(Control Center)でパフォーマンスモードへの切り替えがおすすめ。


バッテリー消費や冷却ファンの回転音は大きくなりますが、パソコンのポテンシャルを最大限発揮できます。
ACアダプターをつなげられない環境で仕事をするときなどは、オフィスモードに切り替えましょう。
Photoshop

まずは画像加工ソフトの代名詞的存在、Photoshopでテスト。
高性能なCPUかつメモリも16GB搭載しているため、目立った遅延を感じることなく動かせます。
数百GBになるような重いPSDデータを扱うときも、スムーズに動かせるでしょう。
高解像度の写真データに各種フィルターを適用したところ、いずれも2~3秒で処理が完了。
さすがに多少の時間がかかるものの、一般的な薄型ノートパソコンと比べれば抜群に快適です。
Lightroom

続いてLightroomでRAWデータの書き出し速度をチェック。
画素数別に100枚を書き出して、かかった時間を計測しました。
4575万画素 Nikon D850 | |
---|---|
3635万画素 Nikon D810 | |
2420万画素 SONY α7 III | |
2020万画素 Canon G7 X |
Core i7-10750Hならもう少し速く書き出せるはずですが、これはシングルチャネル(16GB×1)のメモリが足を引っ張っている可能性が高いです。
実用上はほとんど問題ならないものの、1秒でも作業時間を短縮したいプロカメラマンにはおすすめしづらい結果となりました。
書き出し条件は以下で統一しています。
画像形式 | JPEG |
---|---|
画質 | 100 |
カラースペース | sRGB |
画像のサイズ | 未調整(撮影データそのまま) |
解像度 | 350 |
メタデータ | すべてのメタデータ (人物情報や撮影場所の情報は削除) |

Premiere pro

動画編集の性能をチェックすべく、Premiere Proをインストール。
重いエフェクトは処理に少し時間がかかりましたが、おおむねスムーズに編集できました。
ただし、動画編集がメインの方はメモリを32GBに増やすことも考えてみてください。
4K動画の編集やAfter Effectsなども使うつもりなら、なおさらメモリに余裕を持たせておくことをおすすめします。
メモリ16GB→32GBへのアップグレードは+14,400円(税別)です。
4K動画の書き出し
4K動画の書き出しに、どれくらい時間がかかるかも検証しました。
検証のために用意したのは、GoPro HERO7 Blackで撮影した4K 60fpsの動画データ。
書き出し条件とかかった時間は以下の通り。
H.264(Youtube 1080p FHD) | 35:04 |
---|---|
H.264(Youtube 2160p 4K UHD) | 38:06 |
搭載されているスペックを考えれば、遅くとも20分台で書き出せるはずですが、何度試してもイマイチ伸びませんでした。
動画の書き出しでもメモリがボトルネックになっている可能性が高そうです。

Illustrator

Illustratorをスムーズに動かせるかどうかもチェック。
ちょっとしたロゴを作ったり、高解像度の写真データを埋め込んだチラシ用の印刷データを整えたり、いずれもスムーズに動かせました。
余程重たいデータを扱わない限り、サクサク動かせるでしょう。
CLIP STUDIO PAINT

CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)も動かしてみたところ、まったく問題なく動かせました。
使用したペンタブはワコムのIntuos Small。
クリスタはもともと動作が軽いので、サクサク快適です。

各種ベンチマーク結果

各種クリエイティブソフトを快適に動かせることがわかったところで、ここからは各種ベンチマークソフトの検証結果をご紹介します。
計測結果はいずれも当サイトで検証したものなので、あくまで参考程度にお考えください。
PCmark 10
まずはパソコンの総合的な性能をチェックするベンチマークソフト、PCmark 10のスコアは4,849でした。

旧型のスコアが4,269だったので、大幅にアップしています。
ExcelやWordなどの事務作業はもちろん、写真や動画などの編集もこなせるスコアです。
当サイトで検証したDAIVのほかのモデルと比較すると以下の通り。
DAIV Z7 | |
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DAIV 5D-R5 | |
DAIV 5N | |
DAIV 5P |
5Pは薄型・軽量が売りのモデルなので、DAIVの中で比較するともっとも低いスコアでした。
CINEBENCH
CINEBENCHでCPUの性能をチェックした結果がこちら。


当サイトで検証したR15のスコアを比較すると以下の通り。
Core i7-10750H ※別モデル | |
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Core i7-9750H | |
Core i7-10750H ※DAIV 5P | |
Core i7-8750H |
何度か試しましたが、前世代であるCore i7-9750Hのスコアを超えられませんでした。
ACアダプターの出力が90Wと控えめということもあり、電力消費を抑えるように設計されているのかもしれません。
Crystal Disk Mark
CrystalDiskMarkでストレージの転送速度をチェックしたところ、読み込みで約2,100MB/sとまずまずのスコアでした。

実用上はまったく問題ないものの、転送速度にこだわるならストレージのカスタマイズがおすすめ。
一般的なSSD(SATA)やHDDと平均的な転送速度を比較すると、以下の通り。
NVMe M.2 SSD (Gen4) | |
---|---|
NVMe M.2 SSD | |
SSD(SATA) | |
HDD |
ハイエンドクラスのNVMe M.2 SSDなら、読み込み速度は3,000MB/sを超えます。
Fire Strike

主にパソコンゲームを動かすうえで重要な指標となる、3DMarkのFire Strikeを走らせたところスコアは8,195でした。
主なグラフィックカードとスコアを比較すると以下の通り。
GTX1650 SUPER | |
---|---|
GTX1650 | |
GTX1050 | |
Intel UHD Graphics |
一般的な薄型ノートPCに搭載されているCPU内蔵型のGPU(Intel UHD Graphics)と比べると、7倍近いスコアです。
動画や写真の編集がスムーズになるのはもちろん、最新の3Dゲームもそれなりに動かせます。
オンラインゲーム
有名オンラインゲームのベンチマークソフトも走らせました。
いずれも解像度は1920×1080(フルHD)のノートPCに設定。
重量級ゲームのFF15は高品質で普通という結果に。
5PはゲーミングPCではありませんが、重いゲームもグラフィック設定を調整すればそれなりに遊べてしまいます。
人気MMORPGのFF14やドラクエXはグラフィックがかなり軽いため、最高画質で問題なくプレイできます。
FF15

高品質 | 3594(普通) |
---|---|
標準品質 | 5027(やや快適) |
軽量品質 | 6128(快適) |
FF14 漆黒の反逆者

最高品質 | 8337(非常に快適) |
---|
ドラゴンクエストX

最高品質 | 9358(とても快適) |
---|
フレームレート検証

ベンチマークソフトを走らせるだけではなく、実際にフォートナイトを動かしてどの程度のフレームレートを出せるか検証しました。
最高画質~低画質の平均フレームレートは以下の通り。
最高画質 | |
---|---|
高画質 | |
中画質 | |
低画質 |
場所や状況によって変動するものの、最高画質では50前後のフレームレートしかでません。
低画質まで落とせば90前後までフレームレートは伸びるものの、モニターのリフレッシュレートが60Hzなので映像には反映されません。
高~中画質あたりで設定すれば、仕事の息抜きや休憩時間に快適にゲームができます。
DAIV 5Pレビューまとめ

レビューのまとめとして、5Pの特徴を再度おさらいしておきます。
約18.5時間のロングバッテリー
薄型・軽量で持ち運びに最適
sRGBカバー率約90%の広色域
各種業務やゲーム用途でも活躍
メモリがシングルチャネル
SDカードリーダーが非搭載
クリエイターPCとしての性能は控えめなので、スペックを重視する方は上位モデルの5Nがおすすめ。
パソコンを持ち運んだり、外で作業することが多い方には、長持ちバッテリーを搭載した5Pがぴったりです。
予算と用途に合わせて、最適な1台を見つけましょう。
ちなみに記事執筆時点では36回まで分割手数料が無料になるキャンペーンも実施しているので、まとまった出費を避けたい方は検討してみてください。